10ページ「取り扱いと保管」
管内に露がたまったら?
尺八を吹くと管内部に露がたまり、鳴りにくくなるので、露切りというものを作り、これで管内の露を拭き取る。
- この場合、歌口を傷つけないよう親指を歌口にあてがい拭き取るとよい。(露切を自分で作る場合は、右図のサイズより大きくすると、管内で詰まってしまうので注意)
中継ぎの抜き方は?
中継ぎの抜き差しは、無理にねじったりしないで、中継ぎの部分が隠れるよう片手で握り、親指の根元付近を、もう片方のこぶしで軽く叩いて震動を与えると、継ぎ目に少し隙間ができます。あとは静かに抜いてください。
- 軽く叩いても抜けない場合は、もう少し強く叩いてみましょう。
中継ぎ、ホゾ部分の手入れは?
ホゾの部分には漆の摩耗を防ぎ、滑りを良くするために白色ワセリン、薬用リンプステインクまたはコルクグリスなどを塗つておくとよいでしょう。
- また、長期間にわたつて抜かずに置くと抜けなくなることもありますので、時々抜くことがよいでしょう。
保管方法は?
乾燥に対して弱いので適度な湿度(およそ55%~75%)が必要です。秋から冬にかけては乾燥しやすいので、ビニール袋などに入れ、密閉して保管をするとよい。
ひび割れや、破損したときは?
注意していても割れることがあります。
こういった場合は、ひびが大きくならないうちに製管師または和楽器店などで修理をしたほうがよいでしょう。
歌口を破損したときや、ホゾの部分がゆるくなった場合も同様です。
持ち運びは?
中継ぎを抜いて、歌口と根の部分が同じ方向にならないように、袋などに入れて携帯するとよい。