1ページ「音を出すための導入」
- 尺八は鳴りにくい楽器ですが、個人の持ち味を引き出す個性的な楽器です。
①リコーダーのように歌口が完成されていません。
②歌口は、自分で形を作るので、自分自身が楽器の一部となります。
③一管の竹と自分の唇が一つになって、はじめて楽器となります。 - 唇の形では、色々な形の唇を試してみる。
(タコの唇・にらめつこしたとき・すまし顔など) - 息のかけ方では、どれくらいの強さなのか試してみる。
(スープや熱いお茶などをさまそうとするときや、キャンドルの火を吹き消す、風車を廻すなど) - 息の方向を視覚で捉えてみる。(図1)
息の角度がどのような方向に向いているのかを確かめる方法として、定規などに1cm幅くらいの付箋紙を4cm間隔で3枚貼り付け、自分から約15cm離して1枚ずつ吹き分けてみるのもよい - 上管と下管を分離させ、上管だけで息を吹きかけることを試みる。
- 上管と下管を繋ぎ合わせた場合、手孔は全部開放させる。
- 自分に合った尺八を選ぶためのワンポイント。
顎の形には各々個人差がありますので、尺八の顎当りを顎の窪みに当てたときに、唇の合わせ目と歌口のエッジとがほぼ同じ高さになる太さの尺八を選ぶ。(図2)
(歌口の先端から顎当りの頂点までの寸法が、約22mm前後で製作されています)
子供の場合は、細身の尺八を選んであげたほうがよいでしよう。
なお、尺八の太さは周囲の長さで表し、3寸3分~3寸8分くらいまであります。
太さのサイズは3寸を省略して5分ぶまたは5号と称します。
(歌口キャップの中に数字で表記してあるものが、その尺八のサイズです)- 3寸3分=99mm
- 3寸5分=106mm
- 3寸6分=109mm
- 3寸7分=112mm
- 3寸8分=115mm
- 竹製の尺八は維持管理にも気を遺いますので、木管製の物や塩化ビニール製の物が安心して使用できます。また、はじめて触れるような場合では、本物の竹を一度は手にしたほうがよいでしょう。