みちのく譚詩曲(みちのくたんしきょく)

東北の地に伝えられる生活用具や工芸品から、その地域独特の文化や振興、 人々の生活の物語を想像して譚詩曲としてまとめてみました。
「こぎん刺し」(津軽)江戸時代から農家の野良着として着用され、一針一針繊細に縫いこまれた文様に、幾何学的な美しさを感じます。
「大持橇」(山形県)長さ4メートルを超える木製の大きな橇。
大きな荷物を運ぶ道具として使われたのでしょうか、1本の貴から彫り上げた ダイナミックな刃跡に重圧感が漂います。
「いたや細工」(秋田県角館) しなやかな「いたや楓」の若木を、指で薄く割いて編み上げた盛り籠。
光の具合によって、素朴(しらき)と泥染めの灰色 が、立体模様に見えます。
「カマ神様」(岩手県南部) 台所の柱や壁の上部、竈の上にかけてある「カマガミサマ」「カマオトコ」などと呼ばれるお面です。
個性的で怒った 怖い印象を受けますが、正義の守護神として厄を追い払う霊験あらたかな神様です。 
(2003年作曲)(尺八2、箏2、十七絃1)